居酒屋や食堂を開業する際、座敷にするか、掘りごたつにするかで迷われる方は多いと思います。
昔ながらの平らなお座敷には落ち着いた雰囲気がありますが、長時間正座をしたり、足を曲げたまま座ったりするのがつらいですよね。
特にほとんどの女性の場合だと、平らな床なら正座をする方多い印象があります。
そこで選択肢になるのが、掘りごたつです。
今回、福岡の居酒屋内装工事で、店内に掘りごたつ席を造作した事例を入れながら、僕なりに現場で体験経験学んだことを皆さんにお伝えしたいと思います。
掘りごたつは床に穴を作れば完成というものではありません。
座面とテーブルの高さ、テーブルの脚の形、座布団の厚み、座れる人数まで考えずに造ると、「見た目は良いけれど使いにくい」という席になってしまいますからあまり経験の無い大工さんに依頼すると注意が必要です。
今回は、実際の現場で確認したことをもとに、居酒屋や食堂で掘りごたつを造るメリットと、施工前に決めておくべきポイントをご紹介します。
居酒屋に掘りごたつ席を設けるメリット
足を下ろして座れるため、長時間でも過ごしやすい
ご存知のように通常の座敷では、正座やあぐらで過ごすことになりますよね。僕は股関節が固くなりやすいので、あれが地獄なんですよね。
食事の時間が長くなる居酒屋では、僕みたいに足や膝に負担を感じる方も結構いらっしゃるのでは?
そこで今回オススメしたいのが掘りごたつってわけです。掘りごたつであれば、床に座りながら足を下へ下ろせますから楽ちんに会食できますよね。
掘りごたつって感覚としては、椅子に座っている状態と似ていて、座敷の落ち着いた雰囲気を残しながら、楽な姿勢で食事を楽しめます。
特に
には、通常の座敷より利用しやすい席になります。
ただし、掘りごたつに上がるまでには、それなりの段差があるため、誰にとっても使いやすいわけではありません。
足腰が弱い方や車椅子を利用される方には、テーブル席の方が適している場合もあります。
そのため、店舗全体を掘りごたつだけにするのではなく、テーブル席と組み合わせると誰にとっても選択肢が広がり見込み客から使いやすいお店に選ばれると思いますよ!
小さなお子様がいる家族でも使いやすい
掘りごたつ席は、座面が連続しているため、小さなお子様と一緒に座りやすいというメリットがあります。
椅子席と比べて、子どもの横に座って食事を手伝ったり、荷物を近くに置いたりしやすくなるのが良いのですが・・・
ただし
掘り込んだ部分へ小さなお子様が落ちる可能性もあります。
子ども連れの利用を想定する場合は、掘り込みの深さや開口部の大きさ、テーブルの配置なども確認しておかなければなりません。
「家族連れに向いているから掘りごたつにする」
だけではなく、実際にどの年齢のお客様が利用するのかまで考えることが大切です。
掘りごたつは椅子代が不要になる
掘りごたつの席では、基本的に座面を造作するため、人数分の椅子を用意する必要がありません。
例えば、椅子1脚が2万円で10脚必要になれば、椅子だけで20万円かかります。
そこに、さらにテーブル代も必要になります。
掘りごたつは床や座面の造作費がかかるものの、椅子を別途用意しなくてよいため、費用面でメリットが出ることがあります。
ただし
「椅子を買わないから、掘りごたつの方が必ず安い」
という意味ではありません。
掘りごたつを造るためには
・床のかさ上げ
・木下地の造作
・掘り込み部分の仕上げ
・段差部分の施工
・床材の施工
・必要に応じた電気配線
などが必要ですから、それなりにはやるべきことは有るのです。
既存の床や建物の状態によっては、造作費の方が高くなる場合もあります。
椅子とテーブルの購入費だけで比べるのではなく、掘りごたつの造作費を含めた総額で判断する必要があります。
掘りごたつのテーブルは脚の形が重要です

堀ごたつ 造作 福岡
掘りごたつを造るときに、意外と見落とされやすいのがテーブルの脚です。
一般的な4本脚のテーブルを使用すると、テーブルを横に並べたときに脚同士が邪魔になることがあります。
せっかくテーブルをつなげても、脚と脚が2本分並ぶためにスペースを取ってしまって人が座れない・・・・
せっかく掘りごたつにしたのにこれでは、宴会や大人数の予約が入ったときに、座席数を増やせません。
掘りごたつ席では、テーブルの中央に脚がある一本脚タイプを選ぶ方が、人数の変更に対応しやすくなります。

テーブルを並べた際も、端の部分へ人が座りやすくなります。
これは、完成してからテーブルを入れて初めて気付くと、簡単には直せません。
掘りごたつの寸法だけを先に決めるのではなく、使用するテーブルの大きさと脚の位置まで確認してから造作する必要があります。
座面とテーブルの高さは25cmから30cm程度が目安

掘りごたつを使いやすくするために大切なのが、座面とテーブル天板の高さ関係です。
一般的には、座った状態の座面からテーブル天板まで、25cmから30cm程度を目安に考えます。
ただし、この寸法だけを覚えておけばよいわけではありません。
実際には
まで考える必要があります。
例えば、座面からテーブル天板までを27cmで造ったとしても、5センチの厚いクッションを敷けば、実際に座った位置は自分が高くなってテーブルが低くなってしまって、食事がしにくくなることがあります。
反対に、クッションを使わないのにテーブルを高く造ると、肩や腕を上げた状態で食事をすることになります。
ここは本当に注意して計画することが大事ですので、しっかり計画しましょう。
高さは座布団やクッションから逆算します
掘りごたつの高さを決めるときは
「大体このくらいでいいだろう」
と決めるのではなく、実際に使用する座布団やクッションの厚みから逆算します。
可能であれば、採用予定の座布団やクッションを用意し、実際に座って高さを確認するのが一番確実です。
現場では、床の高さだけでなく、テーブルの天板厚や脚の高さも含めて調整します。
掘りごたつは造作してから簡単に高さを変えられないため、施工前の確認が重要です。
掘り込み部分の深さも確認が必要です
テーブルの高さばかりに目が行きますが、足を入れる部分の深さも重要です。
掘り込みが浅いと、膝が上がってしまい、窮屈に感じます。
反対に、必要以上に深くすると、座面から足を下ろしたときに落ち着かず、立ち上がりにくくなることがあります。
掘り込みの深さは
を確認して決めます。
既存建物の場合は、床下に配管や配線が通っていることもあります。
希望する深さで掘れるとは限らないため、工事前に床下の状況を確認しなければなりません。
掘りごたつ周辺の段差には注意が必要です
掘りごたつ席を造る場合、既存の床から一段上がった小上がりになることが多くあります。
この段差は、店舗の雰囲気を作る一方で、つまずきや転倒の原因にもなります。
特に飲食店では、お客様がお酒を飲まれるため、通常の住宅以上に段差への配慮が必要です。
施工時には
・段差の高さ
・上がり口の位置
・通路の幅
・照明の明るさ
・柱や壁との位置関係
を確認します。
段差が見えにくい場合は、照明や仕上げ材を工夫して、上がり口が分かりやすくなるようにした方が安全です。
掘りごたつの中は掃除しやすくしておく
掘りごたつの中には、食べ物や箸、紙ナプキンなどが落ちることがあります。
造作時に見た目だけを優先し、掃除方法を考えていないと、営業後の清掃が大変になります。
掘り込み部分の仕上げは、汚れを拭き取りやすい材料を選ぶ必要があります。
角や隅にゴミがたまりやすいため、掃除機のノズルが入るか、手が届くかも確認しておいた方がよいでしょう。
店舗内装では、完成時の見た目だけでなく、毎日の営業で誰がどのように掃除するのかまで考えることが大切です。
掘りごたつ席は人数変更に対応できる計画にする
居酒屋では、2名のお客様だけでなく、4名、6名、10名など、さまざまな人数の予約が入ります。
固定された席だけでは、大人数の予約に対応しにくくなります。
そのため、掘りごたつを計画するときは、
・テーブルを分けて使えるか
・テーブルをつなげられるか
・つなげたときに脚が邪魔にならないか
・座れる人数が本当に増えるか
・通路を確保できるか
まで確認します。
テーブルの幅だけを見て、
「この長さなら8人座れる」
と考えるのは危険です。
実際には、柱の位置やテーブルの脚、壁との距離によって、座れる人数が減ることがあります。
図面上の寸法だけでなく、実際に人が座った状態を想定して計画する必要があります。
今回の掘りごたつ造作で重視したこと
今回の居酒屋内装工事では、既存の床から一段上げた小上がりを造り、その内側に足を入れるための掘り込みを設けました。
施工時に重視したのは、掘りごたつを造ること自体ではありません。
・何人で利用するのか
・テーブルを並べ替えるのか
・どの厚みの座布団を使うのか
・立ち上がりやすい高さか
・営業後に掃除しやすいか
といった、実際の営業を想定した使いやすさです。
掘りごたつは完成すると見た目がすっきりします。
しかし、床や座面を造作する工事ですので、完成後に寸法を変更するのは簡単ではありません。
だからこそ、施工前の打ち合わせで、使用方法まで細かく確認しておく必要があります。
居酒屋へ掘りごたつを導入するときのまとめ
居酒屋や食堂に掘りごたつを設けると、座敷の落ち着いた雰囲気を残しながら、足を下ろして比較的楽な姿勢で食事を楽しめます。
一方で、ただ床を掘って座面を造ればよいわけではありません。
特に重要なのは、
・座面とテーブル天板の高さ
・座布団やクッションの厚み
・テーブルの脚の形
・掘り込み部分の深さ
・段差と通路の安全性
・掃除のしやすさ
・人数変更への対応
です。
中でも、4本脚のテーブルを選んだために、テーブルをつなげても座れる人数が増えないという失敗は起こりやすいです。
テーブルの脚まで含めて、掘りごたつ全体を計画してください。
掘りごたつのことならお任せください
福岡で居酒屋や食堂の開業を予定され、掘りごたつ席を検討されている方は、福岡内装センターへご相談ください。
店舗の広さや客席数、営業スタイルを確認したうえで、使いやすい高さや寸法をご提案します。
お問い合わせは通話料無料のフリーダイヤル0120-104-504までお気軽にお電話くださいね!



・座面の高さ
・使用するテーブル
・店舗の床下寸法